Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
「この女こそ狂人なんだがなあ」
と、片足竹のように細い男が、気の毒そうに小声で云った。
「誰だろう、こんな気の狂っている女に、殺生な子供なんかはらませたのは。……それはそうと盲目の殺人狂は、名を宣らないということだの」
「そうだ」
と刀傷のある男が云った。
「誰かが名を訊くとこう云うそうだ、『このようにご記憶くだされい、裏切り者とな』このように……またこんなように云うそうだ、『神の界に属する御一方に、許すとのお言葉うけたまわるまでは、死ぬことの出来ない男じゃ』と。……」
「竹の杖を使うということだが?」
「そうだ、……竹の杖が得物なのだ。それでズバリと咽喉をつくのだ。……狙いは絶対に狂わないのだそうだ。……が、相手が大勢の時には、相手の持っている太刀を奪って、そいつで斬って斬りまくるそうだ」
「名を宣らないという段になると、ここにいるお嬢様とおんなじだな」
こう皮肉に云いながら、耳を剃り落された浪人くずれの男が、早瀬の方へ頤をしゃくった。
「このお嬢様も名を宣らないて。お嬢様お名前をおきかせくだされと俺が以前お訊ねしたら『追い慕っている女でございます』とこうお返辞くだされたばかりさ。