Classici giapponesi con furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Leggi いやな感じ (いやなかんじ) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 292.113 caratteri · 587 schermate
うかつな自分に舌打ちをして、俺は営門を出て、練兵場へ向けて、てくてくと遠回りの道を歩いて行った。腹が減ったので、パン屋を見かけた俺は中途でパンを買った。
炎天を歩いているせいか、俺の頭のなかはカッカと燃えていた。燃えている頭のなかは、しかし、からっぽの感じだった。俺のうかつは、このせいなのかもしれない。アナーキストは無思想だとボルの奴らから軽蔑的に言われたものだが、その無思想を今はっきりと俺は自分のうちに感じた。
練兵場に来て、俺は木かげに腰をおろして、汗をぬぐった。射撃練習の音が聞えてくる。北槻中尉はどこにいるか分らない。
パンの紙袋がごそごそと邪魔だった。ここで食っちまおうか。ボサボサしたジャムパンを俺は食いはじめた。そこへ一匹の黒犬が、どこからともなく現われて、パンを食っている俺を、遠くからじっとみつめた。
「おめえも腹が減ってるのか。モサコケ(空腹)か」
おいらんにはむごい扱いをした俺も、犬にはやさしかった。きたない痩せこけたのら犬である。俺に尻を向けて、いつでも逃げ出せる態勢で、首だけこっちに向けている。横目で俺を見ている。その恰好が滑稽で、いじらしく、