Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Leggi いやな感じ (いやなかんじ) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 292.113 caratteri · 587 schermate

Aozora Bunko

だから、部屋は、確保されているにちがいないと考えた俺は、波子に、ここを知らしておいたのだ。

下宿に戻った俺はすぐ、自分から憲兵隊に出頭して、どうとも勝手にしなとふんぞりかえった。ある公用で朝鮮へ行ったのに、犯罪者なみにつけ回すとは何事か、愛国者を弾圧するとはけしからんと逆にすごんだものだ。「国士」になると、こんなにまで強く出られるものか。国賊として人間なみの扱いはされなかったアナーキスト時代と思いくらべると、全くえらいちがいだった。憲兵は腫れ物にさわるみたいに俺を遇した。

おおっぴらに歩けるように自分をしたときに、幸い波子の手紙が来て、さっそく俺はその住み込み先へ出かけて行った。俺は不安だった。酌婦募集とあるので、客にお酌をする仲居か何かと思ったら、その奉公先はとんでもない淫売屋だったというような時代である。こんなはずではなかった、話がちがう、こりゃ大変――驚いて逃げ出そうと思っても、そうなったら、もう駄目だ。へたな桂庵――周旋屋にかかったら、ぽっと出の女などどんな目に会わされるか分らない。そういったワナにかかって吉原の「カゴの鳥」になったのかもしれないあのパイパンのおいらんには、下司というよりむごい振舞いをした俺が、波子に対してこんな心配をするのは矛盾もはなはだしいが、いったん売春婦に堕ちた女はもう虫