Classici giapponesi con furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Leggi いやな感じ (いやなかんじ) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 292.113 caratteri · 587 schermate
「矢萩先生」があんたに会いたいと宿屋でお待ちだと言う。顔がいやに生っちろいその若僧に、宿屋ってどこの? と俺が聞いたのは、まさかこの根室の宿屋だとは思わなかったからだが、矢萩は根室に来ているのだった。根室くんだりまで「矢萩先生」ともあろうものが、なんだって……。
「加柴さんに用があるらしい」
シーッと俺は口に指を当てた。ここじゃ、俺は野中と言うんだ。気をつけて口をきいてくれと言って、
「俺は、矢萩さんには用はねえ」
だから、行かねえ、行くことはねえだろうとことわったところ、相手はあっさりと、そうか、そいじゃ先生にそう言おう。ひどくあっさりしていて、こっちがあっけに取られるほどだった。そのあっけなさはもちろん神妙といった類いのものではなく、何か投げやりな感じなのは、その物うげな身のこなしにも出ていた。どうでもいい、そんなふうなのだが、同時に、俺の拒否に対して、その結果、俺の身にどんなことがおころうと知らねえよと突っ放している。口に出して言わないだけに冷たい図太さが感じられる。とにかくこういう連中によくある、血の気の多いタイプとはまるでちがう。すぐカッとなる連中とはちがう、冷血動物めいたその男の、生っちろい顔がとみに冷酷無慙を思わせる。