Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Leggi いやな感じ (いやなかんじ) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 292.113 caratteri · 587 schermate

Aozora Bunko

「ほらほら、あのフリット」

殺虫剤のフリットが「飛力脱」と書いてある。シューッと薬を撒いて、虫がコロリと参っている画が描いてあるが、「飛力脱」とはなるほどうまい当て字だ。いかにもそのフリットを使うと、飛ぶ力が虫から脱して行く感じだ。

丸万の説明によると、外国語の華訳には、原語の意味を中国語で現わしたものもあるが(たとえば映画スターが「明星」、トーキーが「声片」)、原音をそのまま漢字の音に当てはめたのがあって、「威士忌」や「飛力脱」がそれだと言って、

「重野が上海に来てるらしい」

当て字のことなど、丸万にはさして興味がないようだ。

「ボルの重野を丸さんは知ってたかな。あいつが、なんだって上海へ……」

「さあね」

俺はそれ以上問わなかった。重野のことなど興味がないというより、同じこの上海に来ているもっと外の連中のことのほうが俺には興味があったからだ。いや、興味なんて、そんな生ぬるい、生やさしいもんじゃない。

クララこと照子に俺は早速会ってみたかった。丸万にそれを言おうとしたが、四・五・六のロクの手前、何かそれを口にするのが憚られた。

俺の眼は大きな広告板にそそがれた。