Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おさん

おさん

山本 周五郎

Leggi おさん di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.128 caratteri · 66 schermate

Aozora Bunko

そして終りに、江戸へ帰っても自分のゆくえは捜さないでくれ、と書いてあった。おれはその手紙を引裂いて捨てた。おれのことを忘れるためにだって、いいかげんなことを云うな、おまえのからだが承知しなかったんだろう、そのことなしでは一と晩もすごせないから男をこしらえたんじゃないか、わかってるぞ、とおれは云ったっけ。これでけりはついた、江戸へ帰っても捜すようなことはないから心配するな。そしてまもなく、家主の喜平から二度めの手紙が来た。おさんが次つぎに男を伴れ込むので、長屋の女房たちがうるさいから家を明けてもらった、店賃の残りは預かってある、という文面だった。男は辰造だけではなかったんだ。おさんの手紙では要領を得なかったが、どうやら二人や三人ではないような感じだ。こいつは牛込へは帰れないな、とおれは思った。長屋の人たちにはもちろん、家主にだって合わせる顔はない。どうともなれ、当分は上方ぐらしだ、とおれは肚をきめた。おれはおさんを憎んだ。手を出したおれも悪いが、おさんが首を振ればなにごともなかったんだ。あとで聞くと、おさんには縁談のきまった相手がいたというし、おれはべつにむきになってたわけじゃない。