Classici giapponesi con furigana
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おさん
おさん
山本 周五郎
Leggi おさん di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.128 caratteri · 66 schermate
二の九
おれはもっと頭をさげ、堪忍してくれ、と声に出して云った。おさんはもうなにも云わないようであった。
二の九
参太が墓地を出ようとすると、傍らの雑木林の中から伊三があらわれた。
「びっくりさせるな」参太は本当に驚かされた、「どうした、どこから跟けて来たんだ」
「ずっとさ」伊三は鼻をこすった、「飯田屋までいってみて、いないんで今朝はやく引返して来たんだ」
「飯田屋へ泊ったのか」
「宿屋なんかに泊りゃあしねえさ、寝るところなんざどこにでもあるよ」
参太は歩きだしながら云った。ゆうべの男はどうした。酔いつぶれて道ばたへ寝ちまったよ。どうしておれをみつけだした。引返して来て小網町まで来ると、うしろ姿が見えたんだ。声をかければよかったのに、おれもおまえが来るかと待っていたんだぞ。迷ったんだよ。なにを迷った。黙っていっちゃおうか、それとも別れを云ってからにしようかってさ。おまえゆうべなにか云ったな、なにか頼みがあるっていうようなことを云やあしなかったか。もういいんだよ、忘れちゃってくれよ。話すだけ話してみろ、ゆうべは危ねえところをおまえのおかげで助かった、礼と云うときざだが、おれにできることなら力になるぜ、話してみろよ、と参太は云った。