Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おさん

おさん

山本 周五郎

Leggi おさん di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.128 caratteri · 66 schermate

Aozora Bunko

「話してもむだなんだがな」と伊三は考えぶかそうに云った、「おれねえ、ほんとのこと云うともう十二になるし、いいかげんにおちつこうかと思ったんだ」

「そう気がつけばなによりだ」

「おじちゃんのこと好きだしさ」と伊三は続けた、「できるなら弟子にしてもらってさ、半人なみでもいいから職人になりてえって思ったんだよ」

「それが本気ならよろこんで」

「いけねえんだ」と伊三は首を振って遮った、「それがだめなんだ、おれが女は嫌いだって云ったのを覚えてるだろ」

「聞いたようだな」

「女がおじちゃんを待ってるんだ」

参太はぞっと総毛立った。おさんが待っている、というふうに聞えたからだ。参太は立停って伊三を見た。

「誰が、――待ってるって」

「箱根からいっしょに来た女さ」と伊三は逃げ腰になりながら答えた、「飯田屋へいって訊いてみたらさ、おじちゃんは帰らねえかって、番頭が云っているところへあの女の人が出て来たんだ」

「あれとはちゃんと別れたぜ」

「おれを見てあの女の人はどなりつけた、おまえまだあの人にくっついてるのかい、承知しないよってさ」伊三は黄色い歯をみせて、おとなびた含み笑いをした、「あたしたちに近よるんじゃない、わかったかいってさ、おっかねえ顔だったぜおじちゃん」