Classici giapponesi con furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Leggi それでも私は行く (それでもわたしはいく) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.708 caratteri · 181 schermate
その時、いきなり襖があいた。
君勇だった。
小郷はしかし鈴子の肩を離さなかった。
「なんだ、お前か」
「あてで悪おしたな」
君勇はそう言って、小郷をにらみつけた眼を、鈴子の方へうつして、
「――鈴子はん、あんた、ここで何しといやすねン……? 出て行っとくれやす」
言いざまに、鈴子の頬を撲った。
小郷はびっくりして、鈴子の肩をはなした。
その隙に、びっくりした鈴子は部屋の外へ逃げ出した。
そのうしろ姿をちらと見送りながら、君勇は、
「オーさん。あんた、あてに恥かかして、それで何ともおへんか」
「何で恥をかかした。莫迦をいえ!」
小郷は興冷めした顔に、むっとした表情を泛べた。
「何で……どすテ……おほほ……」
場ちがいの笑いを、ヒステリックに笑って、
「――あてをさし置いて、鈴子はんとお寝やして、それであてが黙ってられますか」
「えッ……?」
と、小郷は君勇の言葉が意外だった。
こんなに自分をきらっていた女だったのに……さては……と、君勇が今夜酔っぱらったわけが判ったと、小郷は己惚れてしまった。
「オーさん、判った……?」
君勇はわざと蓮っ葉にいいながら、小郷の胸へもたれかかって行った。