Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Leggi それでも私は行く (それでもわたしはいく) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.708 caratteri · 181 schermate
三
と、小田は言った。
「あら、どうして……?」
と、弓子はきいた。
「だいいち、返すくらいなら、何もはじめから掏る必要はない。第二に、あなたは金が要るでしょう……?」
「金の要らない人なんて、ありませんわ」
「なるほど……。誰だって金はほしいや。金というより、新円だね。新円なんていやな言葉だが……」
小田は煙草のけむりと一緒に、言葉を吐き出して、
「――とにかく、金は要る。しかし、あなたは要り方がちがうんだ。姉さんを身受けしなくちゃならないでしょう」
「何もかもご存知なのね」
と、言って、弓子は鶴雄の顔を見た。
鶴雄は再び頭をかいた。
弓子はにこりと笑うと、小田の方を向いて、
「姉さんのことなら、もういいんですの」
「どうして……?」
「もう身受けしちゃいました」
「誰が……?」
と小田は眼をみはって、
「まさか、あなたじゃないでしょうな」
「ところが残念ながら……」
と、弓子は笑って、
「――あたしです。姉さんを身受けしたのは、あたしなんです」
笑いながら、しかし、弓子の声はふとうるんでいた。
「ふーん。その金は……?」
と、こんどは小田よりも鶴雄の方がきいた。
「むろん掏ったのよ。