Classici giapponesi con furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Leggi それでも私は行く (それでもわたしはいく) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.708 caratteri · 181 schermate
鶴雄と賭けをしたことを、小田は想い出した。
「あはは……。もう手おくれですよ」
「ところで……?」
と、小田は煙草を灰皿の中でもみ消しながらきいた。
「弓子は……? 出来れば、罪にしたくないですな」
「そうですね、しかし、とにかく掏摸ですからね」
「有罪ですか」
「さアね」
と、司法主任はコップの底に残っていたビールをのみほして、
「しかし、一応書類は作りますが、事情が事情だし、不起訴とまでいかなくても、執行猶予にはなるでしょう」
「そうですか。それをきいて、安心しましたよ。あはは……。一杯いただきましょう」
小田は空のコップを差し出した。
翌日、小田は鶴雄と宿屋で会っていた。
「僕、鈴子を身受けしてやれなくなったよ。鈴子は舞妓をよしたんだってね」
「いや、いいんです。それに僕はもう京都にいませんから」
「どうして……?」
「どうしてって……。君勇にも弓子にも鈴子にも、もう会いたくないんです」
「ふーん」
「それに、京都という土地がつくづくいやになりました」
「じゃ、どこへ行くの……?」
「友人が北海道にいるんです。そいつを頼って牧場で働きます」
「学校は……?」
「よします。どうせ、食糧難で満足に授業は受けられないし、北海道の牧場で、独学する方が気が利いています」