Classici giapponesi con furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Leggi だいこん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 153.732 caratteri · 303 schermate
ミス・アマミヤはいま天国にいる。居どころがわかったって電話なんかかけられるような手近なところじゃない。あたしが聞えなかったつもりで横をむいていると、ハガアスさんはあきらめたのか、電熱器のところへ行ってコッフェルで缶詰をあたためにかかった。
近くで鋲打ちでもはじまったようなすごい音がする。ふりかえってみると、ニュウ・グランドの明るい玄関と向きあったとなりのホールで、四十人ばかりの新聞記者がタイプライターにかじりついてトップ・スピードで記事を叩きだしている。
「えらい騒ぎだ。なにがはじまったの」
「司令部のコンミュニケが出たので、七時のラジオ・テレグラムに間に合わせようというんです」
ハガアスさんは湯気のたつコッフェルを持ってきてならべると、テーブルの向い側に掛け、れいの勿忘草の青い眼であたしを見ながら、霞むような柔和な声でいった。
「ミス・アマミヤはいまどちらなんでしょう」
あんなことであきらめるはずがないと思っていたが、案のじょうだった。レーションの缶詰を温めながらそのことばかり考えつめていたんだ。キリストのような真面目な顔をしたひとにほんとうのことなんかいえるもんじゃない。