Classici giapponesi con furigana
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せけんし
世間師
小栗 風葉
Leggi 世間師 (せけんし) di 小栗 風葉 (おぐりふうよう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.390 caratteri · 36 schermate
」
あまり出抜けで、私はその意を図りかねていた。
「私もね、これでも十二三のころまでは双親ともにいたもんだが、今は双親はおろか、家も生れ故郷も何にもねえ、ほんの独法師だ、考えてみりゃ寂しいわけなんさね。家といったってどうせ荒家で、二間かそこいらの薄暗い中に、お父もお母も小穢え恰好して燻ってたに違いねえんだが……でも秋から先、ちょうど今ごろのような夜の永い晩だ、焼栗でも剥きながら、罪のねえ笑話をして夜を深かしたものだっけ、ね。あのころの事を考えてみると、何だかこう、ぼんやり前の世の事でも考えるようで、はかねえような、変ちきれんな心持になりやがってね――意気地あねえ。」と寂しげに笑った。
銭占屋はそのまま目を閉じて、じっと枕につっ伏した。木賃宿の昼は静かで、階下では上さんの声もしない。
「ああ浪の音か。」としばらくしてから顔を挙げた。「俺あまた風の音かと思った。これから何だね、ゴーッて足まで掠ってきそうな奴が吹くんだね。するとじきまた、白いのがチラチラ降るようになるんだ。旅を渡る者にゃ雪は一番御難だ。ねえ君、こうして私のように、旅から旅と果しなしに流れ渡ってて、これでどこまで行着きゃ落着くんだろう。