Classici giapponesi con furigana
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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Leggi 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.926 caratteri · 225 schermate
そこで阿宝の室の鏡台はじめ什具の色合や名前を訊いてみると、すこしも違わなかった。阿宝はそのことを伝え聞いてますます駭くと共に、陰にその情の深いのに感じた。
孫は既に病牀を離れたが、阿宝のことが忘れられないので、時とするとものを忘れた人のようになって考えこむことがあった。そしていつも阿宝の身辺に注意していて、もう一度逢ってみたいと思っていた。四月八日の灌仏会の日がきて、阿宝が水月寺へ参詣するということを聞いて、朝早く往って道中で待っていた。そして車に乗ってくる人を注意していたが、あまりに一心になって見つめていたためにたちくらみがした。
午ごろになって阿宝の車がやっと来た。阿宝は車の中から孫を見つけて、しんなりした手で簾を搴げて、目もはなさずに見つめた。孫はますます心を動かされて後から従いて往った。阿宝はとうとう侍女に言いつけて孫に尋ねさした。
「失礼ですが、あなたのお名前は」
孫は殷懃に言った。
「私は孫子楚というものでございます」
孫の魂はますますぐらついた。そのうちに車は往ってしまった。孫はそこでやっと帰ってきたが帰るとまた病気になって、精神が朦朧となり、食事もせずに夢中になって阿宝の名を呼んだ。