Classici giapponesi con furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Leggi 五瓣の椿 (ごべんのつばき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.721 caratteri · 296 schermate
「たいへんな災難でしたのね」とおみのが云った、「いったいあの三人はどういう素姓の者なんですか」
「あの三人、――」得石は反射的に片ほうの眼を押えながら、訝しげに訊き返した、「私は乗った駕籠がぶっつかって」
おみのは微笑しながらかぶりを振った。
「嘘を仰しゃってもだめ」とおみのは云った、「あなたに会わせろって、さっきその三人がここへ来たんですもの」
得石の顔が恐怖のために硬ばった。
「ここへ」と彼は吃った、「三人がここへ来たって」
「先生の駕籠のあとから跟けて来たんですってよ」
「それで」と彼は声を詰まらせた、「その男たちはどうした」
「あっちで酒を飲んでいますわ」
「あげたのか」
「だってこの店の表まで駕籠を跟けて来たっていうんですもの」おみのはやわらかく微笑しながら、燗徳利を取った、「いいじゃありませんか、一つめしあがれ」
「しかしそいつらは」
「盃をお持ちになって、そんなにびくびくすることはないでしょ」
「びくびくするって、私がか」得石は坐り直して盃を持ったが、その手はひどく震えていた、「ばかな、あんな三下のやくざ者なんぞ、うん、ちょうどいい、女中をちょっと呼んでくれないか」