Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Leggi 五瓣の椿 (ごべんのつばき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.721 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

「あの人はそういう人だ」とおしのは声をひそめて呟いた、「あの人もおっ母さんもそういうことのできる人だ、おっ母さんが亡くなったお父つぁんにしたことも、人間にできるようなことではなかった、二人はよく似ている、無情で非道なことを平気でやれるところは、二人ともそっくりだ」

そして自分は二人の子だ、自分のこの躯には、あの二人の血がながれているのだ。

「ああ」おしのは絶叫した、「ああ」

小間使のまさがとんで来たとき、おしのは両手で胸を掻きむしり、けもののような声で呻きながら、夜具の中で身もだえをしていた。まさは下働きのお吉ばあさんを医者へ走らせ、おしのをしずめようと手を尽したが、そのうちおしのは激しく咳こみ、絶息するかと思われたとき喀血した。二度、三度、口からほとばしり出た血が、夜具から畳の上まで飛び散るのを見て、まさのほうが気を失いそうになった。

――お父つぁんと同じ病気になった。

自分の吐いた血の色を見て、おしのはそう思いながら、失神しそうになるのを、けんめいにこらえた。

――お父つぁんが迎えに来たのだ、これはお父つぁんが、あたしのゆくのを待っているという証拠だ。