Classici giapponesi con furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Leggi 五瓣の椿 (ごべんのつばき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.721 caratteri · 296 schermate
「ばかなもんですか」とおそのは遮って云った、「あんたがあまりこの人のことで悲しがるから教えるのよ、日本橋よろず町に丸梅っていう袋物問屋があるわ、その店の主人の源次郎という人が、あんたの本当の父親なのよ」
おしのは黙って母を見ていた。
「恥を云うようだけれどほんとなの」とおそのは云った、「半年ほどしきゃつきあわなかったけれど、あんたが自分の子だということは、丸梅の源さんも知っているのよ」
おしのは仮面のように硬ばった顔で、ながいこと身動きもせずにいた。そして、なにを見るともない眼つきで、じっと前方をみつめていたが、やがて、ひどく乾いたかさかさした声で、「それ本当のことなのね」と訊いた。
「嘘にこんなことが云えますか」とおそのが答えた、「もし信用ができないのなら、丸梅へいって訊いてみればわかるわ」
おしのはちょっとまをおいて云った、「あっちへいってちょうだい」
「あっちへゆけって、おしのちゃん」
「なんにも云わないでよ」とおしのが感情のこもらない口ぶりで遮った、「あたし少し考えたいことがあるの、お願いだからあっちへいって下さいな」
おそのはなにか云いかけたが、娘の硬ばった顔つきと、なにものも受けつけないような姿勢に圧倒され、「いいわ」