Classici giapponesi con furigana
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しゅんかん
俊寛
菊池 寛
Leggi 俊寛 (しゅんかん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.455 caratteri · 35 schermate
清盛に対する怨みなどは、そうした瞬間、泡のように彼の頭から消え去っている。そして、その木が鉞の幾落下によって、力尽き、地を揺がせて倒れるとき、俊寛の焼けた顔には、会心の微笑が浮ぶ。彼は、そうして伐り倒した木の枝を払い、一本ずつやっとの思いで、泉の畔に引いてくる。彼は、その粗な丸太を地面に立て、柱とした。小太刀や鉞で穴を掘ることは、かなり骨が折れた。ことに、そういう仕事に用いることで、これから先の生活にどんな必要であるかもしれない道具が破損することを、恐れねばならなかった。屋根は、唐竹で葺いた。この島の大部分を覆うている唐竹は、屋根を葺くのには、藁よりもはるかに秀れていた。木の枝を、横にいくつも並べて壁にした。そして、近所から粘い土を見出して、その上から塗抹した。彼は、この新しい家を建てるために、二十日ばかりもかかった。が、彼は自分の住む家を自分で建てることが、どんなに楽しみの仕事であるかが分かった。その間、清盛に対する怨みや、妻子に対する恋しさが、焼くように胸に迫ることがある。そんなとき、彼は常よりも二倍も三倍も激しく働く。むろん、島に夕暮が来て、日が荒寥たる硫黄ヶ岳のかなたに落ち、唐竹の林に風が騒ぎ、名も知れない海鳥が鳴くときなど、灯もない小屋の中に蹲っている俊寛に、身を裂くような寂しさが襲ってくる。