Classici giapponesi con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate
に出たものだ。イソップはギリシアの人で耶蘇紀元前五百六十年頃生きておった名高い教訓家だが、今世に伝われる『イソップ物語』は決してそんな古いものでなくずっと後の人がイソップに托けて書き集めたものという、しかし何に致せ西洋話本の親方としてその名声を争うものはない、「亀と兎の競争の話」はこの物語に出た諸話の中もっとも名高い物で根気能く辛抱して励めば非常の困難をも凌いで事業を成就し得る事を示したものだから気力ある若い人々が世間へ出る始めにこの話を額の立て物と戴き真向に保持して進撃すべしと西洋でいう。この話に種々の異態がある、しかし普通英国等で持て囃すのはこうである。いわく兎が亀に会うて自分の足疾きに誇り亀の歩遅きを嘲ると亀対えてしからば汝と競争するとして里程は五里賭は五ポンドと定めよう、さてそこに聞いている狐を審判役としようと言うと兎が承知した。因って双方走り出したが兎はもとより捷疾だから亀が見えぬほど遠く駈け抜けた、ところで少し疲れたらしい、因って路傍の羊歯叢中に坐ってうとうとと眠る、己れの耳が長いから亀がゴトゴト通る音を聞くが最期たちまち跳ね起きてまた走り抜きやるつもりだった、しかるに余り侮り過ぎて眠り過ぎた間に亀は遅いものの一心不乱に歩み走ってとうとう目的点へ着いたので兎の眼が覚めた時はすでに敗けいた。