Classici giapponesi con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate
第五章)。
蛇足の喩えは『戦国策』に見ゆ。昭陽楚の将として魏を伐ち更に斉を攻めた時、弁士陳軫斉を救うためこの喩えを説き、昭陽に軍を罷めしめた。一盃の酒を数人飲まんとすれど、頭割りでは飲むほどもなく一人で飲むとあり余るから、申し合せて蛇を地に画き早く成った者一人が飲むと定め、さて最も早く蛇を画いた者が、その盃を執りながら、この蛇の足をも画いてみせようと画き掛くる内、他の一人その盃を奪い取り、蛇は足なきに定まったるに、無用の事をするから己が飲むとて飲んでしまい、足を画き添えようとした者その酒を亡うた。公も楚王に頼まれて魏を破ったら役目は済んだ。この上頼まれもせぬ斉国を攻むるは、真に蛇足を書き添える訳だと説いたのだ。ムショーの『艶話事彙』にも、処女が男子に逢い見えし事の有無は、大空を鳥が飛び、岩面を蛇が這った足跡を見定むるよりも難いと、ある名医が嘆じたと載す。この通りないに相場の定まった蛇の足とは知りながら、既に走り行く以上は、何処かに隠れた足があるのであろうと疑う人随分多く、そんな事があるものかと嘲る人も、蛇がどうして走り行くかを弁じ得ぬがちだ。誠に愍然な次第故、自分も知らぬながら、学者の説を受け売りしよう。