Classici giapponesi con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate
南に行きて中国境の一村に至ると夏雨の時節となった。雨を冒して旅すれば馬を害すればとて、その間滞留する内、村の人々各の手作りの奇物を彼に贈ったので、雨候過ぎて出立しようという時見送りに来た村人に、前日くれた品に応じてそれぞれ物を与えた。これは熊楠も旅行中しばしば経験ある事で、入りもせぬ物を多く持ち来てくれるは至って親切なようだが、その実盗人の昼寝で宛込があるので、誠に返礼の心配が尋常でない。ところがその村に瓦師あり、先に瓦器を商主に贈った。今彼去らんとすと聞き、その婦これに告いて、君も見送りに往って礼物を貰うがよい、上げたのはわずかの物だが先方は憶え居るだろといった。瓦師そこで泥を円めて吉祥印を作り、持ち行きて商主に訣れると、何故遅く来たか、荷物は皆去ってしまった、気は心というから、何か上げたいものと考えた末、かの新たに生まれた駒こそ災難の本なれ、これがよいと気付きこれでも将ち去かんかと問うた。瓦師どう仕りまして、それを私方へ将れ往いたら瓦器が残らず踏み砕かれましょうと辞む。爾時かの駒跪いて瓦師の双足を舐ったので可愛くなり受け取って牽き帰ると、自分の商売に敵するものを貰うて来たとてその妻小言を吐く事夥し。