Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate

Aozora Bunko

その頃故エドウィン・アーノルドが東京に来寓し、種々筆した内に「初め冗談中頃義理よ、今じゃ互いの実と実」てふ都々逸を賞めて訳出した。その鑑識に驚いて予が小沢という人に話し、小沢また岡崎氏に向って受け売りすると、恋愛の実境はそんな言では悉し得ない、すべて少年は縹緻を重んじ中年は意気を尚ぶ、その半老以後に及んではその事疎にして情転た熾んに、日暮れ道遠しの事多し、ただ身分の健否を問うのみと言われた由。この語洵に神に通ずで、人間のみかは畜類について察するも、齢の加わるに随って心情の移り変るかくのごとき例甚だ多し。その移り変るを上進と見んか堕落と言わんかちょっと分りにくいが、邦俗二十の後家は立ちて、三十の後家は立たぬといい、若くて清貞の聞え高く老後汚名を流せし者諸国の史筆を絶たぬは、皆岡崎氏の説通りの訳に基づくらしく、在英中高名のある学者に語ると、日本にも偉い人がある、今日欧州で婦女の徳行を論ずる者も、大抵その通りの標準に拠って酌量を加えいるが、いまだ岡崎氏ごとく手短く定則的に確言した者あるを聞かぬと感心された。三十二、三でかく観察力に富みいた岡崎氏が、政治の代りに学問に懸り続けられたなら、一方ならずわが邦の学術を進めたはずだ。