Classici giapponesi con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate
邦人が一汎に和漢書よりは精確と想う欧州書にもこんな杜撰が往々あるから孫引きは危険千万と注意し置く。カンボジヤの俗信に竹の梢に或る特種の蘭が寄生すると、その竹幹中に一の小仏像が潜みある、尿で潤した布片でその幹を巻き竹を割るとこれを獲る。これを家に置けば火災に遇わず、口に含めば渇かず、身に佩ぶれば創を受けず。ただし右様の用意せずに割れば、かの像竹から地下へ抜け失せしまうという(『仏領交趾支那雑誌』一六号に載ったエーモニエの『柬埔※風習俗信記』一三六頁)。
かく、土能く諸物の精力を摂り去り、霊異の品時に自ら地下へ逃げ去らんとすてふ信念より、駿馬の駒また地へ生み落さるればその力を減ずとしたのだ。パルグレーヴの『中央および東部アラビア紀行』十章に、アラブ人が駒産まるるところを受け抱いて地に落さざらしむとか、主人と同席で飲食するとか、人馬親昵する奇譚どもを片端から皆嘘のように貶したが、それは今日来朝の外人が吉野高尾ほどな文才ある遊君に会わず、人に大便を拭かす貴族の大人をも見ぬからとて、昔もそんなものは全く日本になかったと即断すると同然、今に則って古を疑う僻見じゃ。