Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
「ええいっ」
右頭上八相に構えていた一人が、閃電の如く――ぱあっ、と鈍い音と共に、つつと上った血煙――
「うわっ」
と、遠巻にしていた旅人、駕屋が、自分が斬られたように叫んで、顔色を変えて、二三間も逃げた。
斬られた浪人は、首を下げて、手を下げて、二三歩、よろめいて歩み出て、すぐ、奈良崎の横へ倒れてしまった。斬口から血の噴出するのが遠くからでも見えた。
斬った男は、真赤な顔をして、刀を振り上げて、悪鬼のように、眼を剥き出して
「こらっ、うぬらっ」
と、叫んで、三人に、走りかかった。それは、殺人鬼のように、狂的な獰猛さであった。三人は、同じように刀を引いた。そして、 逃げ出した。
「逃げるか、逃げるか。卑怯者、卑怯者」
六人は、お互に絶叫して、猟犬の如く追った。追う者も、追われる者も、草に滑り、石につまずき、凹みによろめいて走った。旅人は、周章てて、木立の中に飛び込んだ。