Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
「早う、部屋へ引取って、休みや」
深雪は、やさしい、お由羅の言葉を聞くと共に、胸の中の厚いものが砕けて、その下から涙が湧き上ってきた。黙って、首垂れてしまった。
「許してやんなされ」
お由羅は、梅野にこういった。
「それが――」
「新参者に、不調法は、ままあることじゃ」
お由羅は、こう云いすてて歩み出しながら
「深雪、よく、上の人の申しつけを聞いて、叱られぬようにな」
深雪は、袖へ顔を当てて、お由羅を刺そうとして入込んだ気持などを、少しも感ぜずに、そのやさしさに、泣いていた。梅野が
「今夜は赦しますが、余のことではないから、よく憶えていや」
と、云った。
深雪が、部屋へ戻って来ると、灯は消していたが、未だ、眠らない、大勢の朋輩達は、低い声で、いつものように、小姓の噂をしたり、役者買いの話をしたりして、忍び笑いをしていた。
「本当に、よく似ていますぞえ」
「誰に?」
「成駒屋に――」
「おお、嬉しい――あっ、痛い――同じ、抓るなら、裏梅の形に、抓って下さんせいな、あれっ――」
深雪は、手さぐりに、自分の床へ入ろうとした。
「誰?――今夜は、このまま、眠れぬぞえ。どうでも、梅園さん」