Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
おなくなり遊ばされた以上は、のめのめ夫婦揃って、勤めに上ることもできん。妻の不行届を御重役に詫び、わしの心事を明らかにするためには、とにかく当分の離縁の外に方法がない。そのうちに、誰かが、仲へ入ってくれるであろうが――)
八郎太は、その面目上から、立場から、妻の責任を、こうして負うより外になかった。振返って七瀬を見ると、七瀬は眼を赤くして、げっそりとやつれていた。眼の色も、干いて、悪くなっていた。
八郎太は、慰めてやりたかった。可哀そうだ、とも思った。こいつの性質として、十分に努力はしただろうと思った。だが、もし、寛之助様の病がよくなったのだとしたら、自分は、どんなに肩身が広く、出世ができるか? と思うと、何んだか、七瀬の背負っている運が、曲っているようで、不快でもあった。
七瀬は、部屋の中へ入って、後ろ手に襖を閉めた。そして
「お詫びの申し上げようもござりません」
両手をついて、頭を下げた。
「仕方がない」
八郎太は、低く、短く、こういったきりであった。
「ただ一つ、不思議な事がござりまして、それを申し上げたく、取急いで、戻って参りました」
小太郎は、ほっとした。