Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
「弾薬庫は?」
「それを考えておるが――」
「お由羅派か?」
「寺本じゃが、あいつの心底が判らんで――郷田も、この間、話しておったが、何うも、企てを聞かしてええか、悪いか――もし、二人で行って、鍵を渡さぬか、とやこう申せば、打った斬るの外に無いが――上手に、欺したら――」
「斬れ、斬れ」
「うむ。なまじ、不愍をかけて、欺し損じでもすると、面倒じゃで。そうも考えるが、あいつは、子供が多いでのう。倅も女房もよく知っているから、不愍がかかって」
と、云った時、和田が、急に立止まると、後方を振向いた。そして、じっと、闇の中をすかしながら、小声で
「足音がせなんだか?」
と、高木に云った。
「足音?」
高木は、こういって静かに、もと来た方へ歩き出した。風が歩むように、影が歩むように、静かに身構えることのできる鼠のように、その脚は、獲物へ近づく猫のように――音もなく、声もなく、二三間、引返した。
和田は、往来の真中に立ったまま、じっと高木の方を凝視めていた。
「うぬっ」
高木の、呻くような、低い、絶叫が聞えると、大地に足音が、けたたましく響いたし、袴の音が、草履の音が――それから、闇と、融け合いながらも、黒く閃く影があって、高木の手から、逃れたらしく、魔のような早さで、閃いて、消えた。