Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
(そうだ)
一行は、寺の前で立止まった。久光のほか、悉く馬から降りて、二十人余りの者が、一列に立ち並んだ。胡牀を持っている者。医者らしい坊主頭。槍持。挟箱――そんなものも見えていた。人々が、頭を下げると、久光が、馬をすすめた。二人の鷹匠と、三人の近侍と、それだけになって、近づいて来た。小太郎は、又、隠れた。鷹野へは、多人数で行けぬから、近くへ、供を残しておいて、小人数で行くのが、御場段切れの、法であった。
(久光を討つなら、今だ)
小太郎は、少し、逆上したように、大きく息をついて、馬の足音の近づくのへ、神経を立てていた。
朱総と、紫総とを、脚につけた鷹を据えて、鷹匠が、現れると、すぐ、馬が見えて、その金と、朱との、豪華な鞍の上に、久光の、横顔が笑っていた。
(矢張り、そうだ――討つにしても、討たんにしても――いいや、隙があったなら、討つ方がよい――いいや、わしの敵は、牧だ。牧を討って、父の怨みを晴らすまで、なまじのことをしてはならぬ)
小太郎は、腕組をして、考えていた。
(とにかく、お鷹野のところまで、蹤けて行って――)
小太郎は、編笠の中から、寺の方を見て、人影の無いのを見定めると、遥かに行く、久光の馬を追って、歩きだした。