Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
と、口で、拍子をとって、尻を端折った。そして、鉢巻をしめて高座へ上って、手をかざして、延び上りながら
品川沖を、見渡せば
ハリスや、ハリス
帆をハリス
煙をハリス、黒船が
来たっ、こりゃ、ばかりで
腰が抜け
見たっ、こりゃ、ばかりで
胆つぶれ
と、唄いながら、出鱈目に、踊り出した。
益満は、掛物さえかかってない、小さい置床を枕に、仰向きに、寝ていた。二人の浪人者が、一人は、濡縁から、庭――それは名ばかりの、一坪あるなしの庭へ、足を出して、腹這っていたし、一人は、両腕に頭をのせて、仰向いていた。
「世の中に、退屈しているくらい、辛いことはないのう」
一人が、こう云ったが、二人とも、黙っていた。暫くして、益満が
「小太郎のように、一心に、牧を狙っておれる奴は、幸だ」
と、呟いた。
「近日、又、牧を捜しに立つらしいが、助けてやらんでよいのか」
「それを考えているが、俺の路銀を、南玉に皆くれてやったから――」
「あの、よぼ講釈師が行ったとて、何になる」
「俺は、俺で、又、名越から借りもできるが――俺は、ついでに、京都へ行ってみようと思っている。江戸が騒ぐよりも前に、京都の天地の方が、面白そうだ。