Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

「ええ」

庄吉は、襖越しに聞いた七瀬の話――二人っきりで語った時の、深雪の愚痴話を思い出し――それから、深雪が、自分の口から、叡山へ行きたい、と、云い出したの、と、三つを考え合せると、はっきりと、深雪の気持が判った。

(よく死にたい、と仰しゃるが、今のようだと、本当に、そんな事になるかもしれん)

と、思えた。そして

(この人が死んじまったら、俺は――)

と、考えると、身体中から、何かが、悉く抜け出してしまうような感じがした。

(一緒に死ぬ?――馬鹿らしい。ここで、この人を死なしちゃあ、己の男が立たねえ。死ぬったって、そいつを止めて、笑顔を見せるようにするのが、男ってもんだ、それが男の強い力ってもんだ)

庄吉は、自分さえついていたなら、侍の一人や、二人――

(俺が死ぬつもりなら、指一本、ささせるものか)

と、思った。だが、その底の方には、深雪の悲しみに同感して、同じように、泣き濡れている心が、じめじめとしていた。

「行って参ります」

「深雪、懐剣は?」

「片時も放しませぬ」

「では、庄吉、頼むぞ。駕をやとって、陽の落ちぬうちに戻れ」

「心得ました。では、貴下様」

有村に、お叩頭をすると