Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

(墓が、おれを、招いている)

と、感じた。そして、佇んだまま、じっと、墓を睨みつけていた。

(こんなに、明瞭と、こうしていて見えるものなら、先刻から、見えるべき筈だ)

月丸は、何かしら、墓が、生きているように思われた。風もないし、小鳥も囀らないし、寂寞とした、深い杉木立の中に、じっと、生きている墓を、睨みつづけていた月丸は

(八郎太が、招いている)

と、感じると同時に、綱手の死んだ時の血の臭が、鼻を掠めた。七瀬が、手を握りしめて、白い眼を剥き出して、脣を噛み切って、仰向きに、転がった時の、その、怨恨に充ちた眼を、思い出した。立っている地が裂けて、地獄へ陥るように感じたり、墓の後方から、三人の霊が、のぞくようにも、感じた。

(何うかしている)

月丸は、眼を閉じて、落ちつこうとしたが、眼を閉じると、赤く閃く玉が、上へ昇ったり、下へ降りたりするし、又、血の臭が、鼻の中へ、蘇ってきた。

(心の迷い――何んの、たわけた)

月丸は、眼を開いて、一足踏み出した。そして

(あの坊主は、心を説いていたが――)

と、思った。だが、それに感心するのは、何かしら、義観に、降伏するような感じがして