Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

三人が、声を合せて唄った。そして、それが、終ると、四人が

渭城の朝雨、軽塵をす

客舎青々、柳色、新なり

君にすすむ、更に尽せ一杯の酒

西の方陽関を出づれば故人なからん

「成功をしてくれ」

「後を頼むぞっ」

「斉彬公のために」

「天下蒼生のために」

三人と、四人とは、振返り、振返り、同じ唄を、かれ等の別れの小唄を

ざんば岬を、後にみて

袖をつらねて、諸人の

曲り角へ来た時

「有村っ」

有村が、振向いて

「五代っ」

と、叫んだ。そして、手を挙げて、各々の名を呼んだ。そして、一寸、佇んだ、が、すぐ、山蔭へ――

「おーい」

と、呼ぶと

「おーい」

と、答えた。別離の悲しみが、胸いっぱいであると同時に、未来に対する希望が、明るい金の烏の形となって、若者の、軽輩の青年の頭の中を、狂った如く、飛び翔っていた。

(倒せても、倒せなくても、徳川を倒さずには、おくものか。斉彬公が、そう仰しゃっていた)

(取れても、取れなくっても、天下を取らずにおくものか。斉彬公が、そう仰しゃっていた)

(やれても、やれなくっても、吾等軽輩はやらずにおくものか。斉彬公が、そう仰しゃっていた)

行く者は、東へ、送る者は、城下へ。