Classici giapponesi con furigana
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かいそうろく
回想録
高村 光太郎
Leggi 回想録 (かいそうろく) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.774 caratteri · 71 schermate
私は山野の旅行など殆としたことがなく、自然というといつもその墓地を思い出す程である。自然というものに対する私の気持は専ら谷中の墓地で養われたとさえ言えるように思う。
子供の時、私は籤を引くと必ず当るのでよく雇われたものだ。当るのには訳があって私は谷中の墓地は隅々まで精通していたから、文部大臣の森有礼を暗殺した西野文太郎の墓石を砕いてその一片を懐にして行くのである。私には確信があって、此を持ってゆけば当ると信じて行けば必ず当るのである。よく無尽講の籤引に頼まれて行って三四度当てた。父と時々往来していた牙彫の旭玉山さんのところの無尽講にも、誰かに頼まれて行って当てたことを覚えている。玉山さんは、髑髏の牙彫など拵えると鼻の孔へ毛を通すと目に抜けるという位の細かい細工をした人だが、この人はなかなか経済家で、彫刻家を糾合して無尽を拵えていたのである。私は小学校時代には非常に不思議なことが出来た。父の弟子の中に武州粕壁から来た野房儀平という男があって、この男の親類に山伏のような人がいて、それでいろいろ秘法を知っていた。私はその男にせびって到頭その秘法を教わった。