Classici giapponesi con furigana
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate
「一度あなたとゆっくり話し合いたいと思っていたのですがね。今丁度いいですね、中でお話を伺いましょう。さあどうぞ」
帆村にすすめられて、亀之介は割り切れない気持で、室へ再び足を踏み入れた。と、部屋の隅の洗面器のあるところのカーテンをはねあげて、一人の警官が出て来た。亀之介はどきんとした。この部屋には誰も居ないと思っていたのに、どうしたことであろう。
その警官は帆村へ何か合図を目で送ると、椅子を整頓し、二人の話しやすいように並べかえた。
「どうぞ。お席が出来ました。お茶も持って参りましょう」
警官は部屋を去った。帆村は亀之介にすすめて椅子へかけてもらい、自分もその向こうに腰を下ろした。
「早速ですが、旗田さん、ケリヤムグインというあの毒瓦斯材料をあなたはどこで手にお入れになったのですか」
帆村の唐突の質問に、亀之介の顔色はさっと変った。
「知らんですな、そんなこと……」
「ケリヤムグインはドイツで創製せられた毒瓦斯材料で、常温では頗る安定な油脂状のものです。それを高温にあげ、燃焼させますとたちまち猛烈な毒瓦斯となります。ケリヤムグインの一ミリグラムは、燃焼して瓦斯体となることによって、よく大広間の空気を即死的猛毒性に変じます。