Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate

Aozora Bunko

意外又意外

「そうですか」力なく彼は肯いた。

「じゃあもう仕様がない。何もかも申上げます。実はわしは昨夜十一時から今朝まで、おトメさんの部屋にいました。だからおトメさんが、今あなたが仰有った十一時から一時間半は、あの部屋から一寸も出たことがないのです。つまり、おトメさんの部屋で、わしがおトメさんの横に寝ていましたから……」

芝山は遂にたいへんなことを告白した。

意外又意外

「すると、君は昨日夕方自宅へ帰って自宅に朝まで寝ていたというのは一体どうしたんですか」

と、帆村は冷然として芝山に訊問を続ける。

「あれはわしが家内にそういって、嘘をいわせたんです。でないと、わしは御主人殺しの関係者と睨まれて、うちはたいへんなことになるから、わしは自宅に居たことにするんだぞと家内を説き伏せたわけです」

「それを妻君にいったのはいつですか」

「今朝のことです。旦那様がいけないと分ってから後で、ちょっと家へ帰って参ったんです」

芝山の言葉つきが、始めは爺むさくそして要点の話になるとすっかりすっきりした言葉になることを、帆村は興深く聞きとめていた。それは兎に角、これで芝山宇平と小林トメとの秘密な情交関係が分ってしまった。