Classici giapponesi con furigana
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate
ここに鳥籠があるのは、この部屋に入ったときにすぐ気がついていた。だから、警部がかあっと身の内を熱くしたのは、そのことではなかった。警部は、その鳥籠が平凡な物品であるところから今まで全然問題にしていなかったわけであるが、突然帆村がその前に彼を連れていって意味あり気に指したので、警部ははっと愕いたわけであった。愕いた途端に、警部はその鳥籠について、今までは看過していた或る異常な事実に気がつき、そこで更に余計な驚愕と狼狽とをつけ加えたわけであった。(……失敗った。帆村が問題にしている洗面器の下の鼠の死骸と、この鳥籠の一件とは深い関連性があったのか。それに気がつかなかったとは……)
警部は汗びっしょりになった。そのときである、帆村が鳥籠の中を指しながら、竹法螺を吹くような調子で、太い声を響かせたのは。
「面白いですなあ、この鳥籠は……。鳥籠の中は空っぽです。籠の入口の金具もしっかり締まっています。この鳥籠の中に小鳥が飼ってあって、それが生きて止り木に停ってわれわれを見下ろしていた場合、それからその小鳥が腹を上にして死んでいた場合、もう一つこの場合のように、鳥籠はありながら、鳥が居ない場合。