Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate
帆村はそれに従った。
検事一行は、被害者の居間に集っていた。この居間は、十四五坪ほどの洋間であった。立派な鼠色の絨毯が敷きつめてあり、中央の小卓子のところには、更にその上に六畳敷きほどの、赤地に黒の模様のある小絨毯が重ねてあった。その小卓子と向きあった麻のカバーのついた安楽椅子の中に、当家の主人旗田鶴彌氏が、白い麻の上下の背広をきちんと着て、腰は深く椅子の中に埋め、上半身は前のめりになって額を小卓子の端へつけ、蝋細工の人形のように動かなくなっていた、卓上には、洋酒用の盃や、開いた缶詰や、古風な燭台や、灰皿に開かれたシガレット・ケースに燐寸などが乱雑に載っていた。だが、それらの品物は、一つも転がっていはしなかった。
「……そんなわけでして、どうもはっきりしないところもあるんですが」と大寺警部の有名な“訴える子守娘”のような異様な鋭い声がして「ともかくも、ここの戸口の扉には内側から鍵がさしこんだまま錠がかかっているのに対し、反対側の窓が半分開いて居りますうえに、今ごらんになりましたとおり、被害者の頸の後に弾丸が入っている。それならば、犯人は被害者の後方から発砲し、それからあの高窓にとびあがって逃げた――と考えてよろしいのではないかと思います。