Classici giapponesi con furigana
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate
「すると、どうしました」
「すると、誰かが戸を開いて、部屋へ入って来た様子です。それはおトメさんではない。おトメさんなら、すぐわしを呼ぶ筈です。何しろ蒲団の中にわしの姿がないんですからなあ。……ところが、入って来た者は、何にも声をかけないのです。しばらく部屋の中を歩き廻っているらしかったが、そのうちがちゃんと音がしました。瀬戸物の音です。瀬戸物に何かあたる音でしたがなあ、確かに聞いたのですよ」
「どの辺りにその音がしましたか。花活のある辺りではなかったでしょうか」
「そうかもしれません。いや、確かにその方角でした。……それから間もなくその人は部屋を出ていきました」
「結局その謎の人物は何分ぐらい部屋にいたことになりますか」
「さあ、どの位でしょう。気の咎めるわしにはずいぶん永い時間のように感じましたが、本当は三十秒か四十秒か、とにかく一分とかからなかったと思います」
「その者が部屋を出て行く時、君はその者の顔か姿を見なかったのですか」
「いいえ、どうしまして。わしはもう小さくなっていました。それからしばらくして、外に――階段の下あたりに、おトメさんの声がしました。