Classici giapponesi con furigana
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate
禅問答
あなたは本当に捜査をご破算にして出発点へかえられたんですか」
ずっと沈黙して、聞き手に廻っていた帆村荘六が、そういって口を切った。
「わざわざ嘘をいうつもりはないよ」
「そうですか。同じ心臓麻痺にしても、中毒による場合と、驚愕による場合とは大いに違うと思うんですが、あなたはどっちだとお思いなんですか」
「出発点にかえったといったろう。だからこれから捜査のやり直しだ」
「本当ですかあ。しかし今までに調べたことが全部だめというわけじゃないでしょう」
「一応白紙に還る。面倒でも、もう一度やりなおしだ。この小さい卓子の上に載っている料理の皿や酒なども、もう一度始めから調べ直すつもりだ」
「ああ、それは実に結構ですね。いや、これはお見それいたしまして、たいへん失礼しました」
帆村はそういって、頭を掻いた。帆村が頭を掻いたので、検事以外の者はびっくりした。そして声に出して笑い出した者もあった。
禅問答
長谷戸検事は、早速その仕事に掛った。
帆村荘六は、「いやこれはますます恐れ入りました」といいたげに襟を正して、係官と共に小卓子の側に歩みよった。
「――料理が六種類に、飲科が五種類だ。