Classici giapponesi con furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Leggi 夜明け前 (よあけまえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.629 caratteri · 408 schermate
」
お民がその白い方を女の子の鼻の先へ持って行くと、お粂はそれを奪い取るようにして、いきなり自分の口のところへ持って行こうとした。
「これは食べるものじゃないよ。」とお民はあわてて、娘の手を放させた。「まあ、この子は、お菓子と間違えてさ。」
新しい異国の香気は、そこにいるだれよりも寿平次の心を誘った。めずらしい花の形、横に浮き出している精巧なローマ文字――それはよく江戸土産にもらう錦絵や雪駄なぞの純日本のものにない美しさだ。実に偶然なことから、寿平次は西洋ぎらいでもなくなった。古銭を蒐集することの好きな彼は、異国の銀貨を手に入れて、人知れずそれを愛翫するうちに、そんな古銭にまじる銀貨から西洋というものを想像するようになった。しかし彼はその事をだれにも隠している。
「これはどうして使うものだろうねえ。」とおばあさんはまたお民に言って見せた。「なんでも水に溶かすという話を聞いたから、わたしは一つ煮て見ましたよ。これが、お前、ぐるぐる鍋の中で回って、そのうちに溶けてしまったよ。棒でかき回して見たら、すっかり泡になってさ。なんだかわたしは気味が悪くなって、鍋ぐるみ土の中へ埋めさせましたよ。