Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
「先生」
「何だ」
「お客でございます」
「お客? いま勉強しているところだから、大概のお客なら追払っちまえ」
「与八さんが来ました」
「与八が?」
「与八さんが馬を曳いて来ました」
「与八が馬を曳いて来た? そいつは面白い、こっちへ通せ」
与八が沢井から久しぶりで道庵先生を訪れて来ました。
「与八、お前が来たから今日は、おれも久しぶりで江戸見物をやる、どうだ、両国へでも行ってみようか」
「お伴をしましょう」
その翌日、道庵は与八をつれて両国へ出かけました。与八の背には郁太郎が温和しく眠っています。
道庵先生は両国へ行く途中も、例の道庵流を発揮して通りがかりの人を笑わせました。
「あそこが両国だ、大きな川があるだろう、間を流るる隅田川というのがあれだ。向うは上総の国で、こっちが武蔵の江戸だから、昔し両国橋と言ったものだが、今はあっちもこっちもお江戸のうちだ。どうだい、景気がいいだろう、幟があの通り立ってらあ、橋の向うとこっちに見世物小屋が並んでる、見物人がいつでもあの通り真黒だ、木戸番が声を嗄らしていやがる。与八、うっかりあの前へ行ってポカンと立っていると巾着切に巾着を切られるから用心しろ、ぐずぐずしていると迷児になるから、おれの袖をしっかり捉めえていろ、自分の足を踏まれぬように、背中の子供を押しつぶされねえように気をつけ