Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate

Aozora Bunko

「友造、お前の了見というのは、そりゃどういう了見なのだ」

「どういう了見だってお前、無暗に人殺しをする奴は、そのままには置けねえじゃねえか」

「そのままに置けなければどうするのだ」

「ちぇッ」

米友は舌打ちをして、足を二つ三つ踏み鳴らしてから、

「俺らも槍が出来るんだぜ、槍が」

この時も、その持っていた手槍で、焦れったそうに畳を突き立てました。

「友造、友造どん」

「何だ」

「お前は先年、甲府にいたことがあるだろうな」

「何を言ってるんだ、甲州へ行っていたことはあるよ」

「その時な」

「うん」

「ある晩のことだ」

「なるほど」

「正月のことだったろうな、寒い晩だ、それに怖ろしく霧の深かった晩なのだ、その晩に甲府の城下に、破牢のあったのを知ってるだろうな、牢破りの」

「知ってる、知ってる、それがどうしたんだ」

「その晩に、お前は甲府の町を、その手槍を担いで一文字に飛び歩いていたろう」

「それに違えねえ」

「その時だ――その時に、お前は命拾いをしているのを忘れやすまいな」

「命拾い? 命拾い?」

米友は、そう言われて仔細らしく小首を傾けたが、ハタと自分の頬ぺたを打って、

「うむ、あれか」