Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Leggi 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.941 caratteri · 79 schermate

Aozora Bunko

六

……尾行けて来なさるとは先刻承知、ナーニ実はわっちの方から、此処までご案内したんでさあ。此処はね、旦那、わっちに執っちやァ、住居でもあれば工場でもあり、隠家でもありやァ本陣でもあるんで。……が、一番似つかわしいのは、矢張り工場という言葉でしょうね。まあご覧なせえ向うの部屋を」

六

香具師はペラペラ喋舌り立った。九兵衛はすっかり煙に巻かれ乍ら、隣の部屋へ眼を遣った。まさしく其処は工場であった。大工の道具一式が、整然として並べられてあった。そうして巨大な檜丸太が幾十本となく置いてあった。

模型は其部屋で作るのらしい。が、それは可いとして、煙突のような黒い物と、壁から突き出た鉄棒とは、一体何ういう物なのだろう?

「城内の旦那のご入来だ。せめてお茶でも出さずばなるめえ」

こう云い乍ら香具師は、天井から下っている一筋の糸を、グイと掴んで引っ張った。と、天井からスルスルと、茶器を載っけた丸盆が、身揺ぎもせず下りて来た。

「おおおお鉄瓶はどうしたえ。湯が無けりゃァ茶は呑めねえ」こう云い乍ら香具師は、もう一筋の糸を引いた。と、鉄瓶が下りて来た。

「男ばかりじゃァ面白くねえ。