Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate

Aozora Bunko

駕籠の中には裲襠と手筥

「そいつア大変だ、お茶受を買って来るなんて騙しあがって――」

「何方へ行った」

「向うだ」

「それ追っ駆けろッ」

相沢半助の采配で五、六人の捕方、真っ黒になって駆け出しました。

逃げ場を失った「寺荒し」が、庫裡の物置から古いねんねこを盗み出し、仏像に地蔵様の赤い頭巾を冠せて、赤ん坊のようにおんぶしてしまったのは、恐ろしい良い頭、追っ駆け乍ら様子を聴いて、相沢半助も思わず舌を巻きました。

駕籠の中には裲襠と手筥

この「寺荒し」というのは、昨年の暮あたりから現れた不思議な泥棒で、名刹霊場を襲って、その本尊とか宝物とかいう、名ある仏体や、稀に経机、珠数など、世の中に知れ渡った什物を盗みますが、金銀珠玉や、衣裳骨董などには目もくれません。

切支丹の廻し者か、気違いか、兎に角、その頃の信仰深い人達の目から見れば、悪逆無道な仏敵の仕業で、江戸中は騒然たる有様、手を尽して詮議しましたが、さて、何処の誰が、何んの為にそんな事をするのか、まるで見当も付かない有様です。

芝二本榎の正護院の本尊弥勒菩薩、これは王朝時代の名作で、「寺荒し」が狙わずには居ないだろうと言う見当で、人に笑われるのも構わず、同心相沢半助、十日あまりも待駒を張って居ると、果して昨夜の夜半過ぎノコノコやって来ましたが、警戒疲れの油断に付け入って、ツイ本尊をしてやら