Classici giapponesi con furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate
来れば座も定まらぬうちから、反魂香を焚いて、即座にお園の美しい姿を現してくれます。
丈太郎と香の煙から現ずるお園との遊戯は、次第に熱を帯びて、現実的に、深刻に、醜怪になりました。二人の法悦は、斯うして世にも奇怪な悪魔的なものにさえなって行ったのです。
香の酔から醒めて、尼法師が帰って了うと、お園の思い出を涜す恥かしさに、丈太郎は自分の身内を掻きむしり度いような恐ろしい悔恨に責められました。が、それも日と共に薄れて、やがては、尼法師の訪ずれるのを、夜となく昼となく待ち焦れるようにさえなってしまいました。
併し、この不潔な冒涜的な遊戯も、そんなに長くは続きません。
此の辺で簡単に筋を割って、恐ろしい結末へ導きましょう。――太田淡路守の隠居、英山公に手討になった筈のお園は、実は命を助けられて無事で生きて居たのです。
その代り、今まで頭を横に振って居たお園が、命と引換の頭を縦に振って、英山公の妾になることを承知してしまったのです。
お園は身にも世にも恥じて、自分が死んだと言い触らさせ、其の儘英山公の側に止まって時機を待ちましたが、操を捨て、親を捨て、許嫁の夫を捨てた甲斐があって、到頭命を賭けて狙った蘭奢待の名香を手に入れることが出来たのです。