Classici giapponesi con furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate
淫楽の蓆に響く聖歌
同時に、窓の外の凍る大地の上に崩折れて切支丹の和讃を細々と口吟んで居る、半死半生の若い美しい女を見付けたのは、それにもまして大きい驚きでした。
淫楽の蓆に響く聖歌
「あれは何んだ、あの声は?」
江柄三十郎は、急に眼が覚めたように、ギヤマンの盃を投げて立ち上りました。
「なんでもない、あんな乞食巡礼の歌か何んかにビクビクするものはありゃしない」玉山将に崩れて、紅い裳を乱した横坐りの梅仙女は、泳ぐような手で男の裾を押えました。
「何? 乞食巡礼の歌? それにしても、腹の底から掻きむしられるような、物悲しい声だ、方角は、切支丹屋敷の方かな」
「切支丹屋敷なら尚の事、行ったところで仕様があるまい、黙って坐って、何時ものように浮々と、もう一献過しなさいまし」
「いや、今晩は家へ帰ろう、丁度此処へ来てから十日目だ」
「あれさ、お前」梅仙女は犇々と三十郎の身体に絡み付いて、その邪悪妖艶な魔手の中に溶かし込もうとします。
二人の淫楽は埓も際限もなく、十日間ブッ通しに続きました、それは言語に絶した、猥雑妖淫なものでした。ヴィナス窟のタンノイザーの宴楽よりも、殺生関白の荒淫よりも、吉田御殿の歓楽よりも猛烈を極めました。