Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
夕日は部屋の内に満ちて来た。河岸の方から町中へ射し込む光線は、屋根と屋根の間を折れ曲って、ある製造場の高い硝子を燃えるように見せた。お雪は縁側へ出て町の空を眺めたが、やがて子供の泣声を聞いて、階下へ下りて行った。
「正太さん、女達の間に一つ問題が持上っています。兄貴の家も妙なことに成りましたろう。娘があっても、後を継がせるものが無い。俊が嫁に行って了えば、もうそれッきりということに成って来た。鶴に養子をする――そのつもりで兄貴も出て行ったんです。鶴が居なく成った。俊はどうしたものか。私なら親の方に残るという説と、私はお嫁に行っても差支ないと思うという説と、女達の間に問題に成っているんです」
「私も婚約を破るということは、不賛成です。結納でも交換してなければ格別、交換してある以上は、無論これは夫婦にすべきものと思います」
「僕も、まあそう思うがネ」
「叔父さん、お俊ちゃんの方が先へお嫁に行ったと思って御覧なさい。後で鶴ちゃんが死んだとしましょう。どうすることも出来ないじゃ有りませんか」
「当人同志の意志を重んじなけりゃ成らんネ。俊もウマクやってくれると可いがナ。