Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
九
宅から手紙が参りましてネ、どうも田舎の家が円くいかないようだから、暫時お前は母親さんの傍へ行ってお出なんて。まあ、どうしたというんでしょう。お嫁さんを貰うまでは、母親さんの眼の中へ入っても痛くない幸作さんでしたがねえ……私もイヤに成って了いますわ……彼方へ行き、是方へ行き、一つ処に落着いていられた例は無いんですものね。叔父さんも、何でしたら、一度郷里へいらしって下さいましな。母親さんによく話してやって下さい。真実に、叔父さんにでも行って頂くと難有いんですけれど……」
こう言って、豊世が三吉の家へ寄ったのは、八月の下旬であった。それに附添して、
「名古屋へ私が手紙を出しました序に、『駒形の家は月が好う御座んすが、そっちではどんな月を見てますか』ッて、そう申して遣りましたら、『俺は物干へ出て月を見てる』なんて、そんな返事を寄しましたよ――彼方も御暑いと見えますね」と夫のことを案じ顔に言った。彼女は留守宅を老婆に托して行くこと、名古屋廻りの道筋を取って帰国することなどを、叔父や叔母に話して置いて、心忙しそうに別れて行った。
三吉は父母の墓を造ろうと思い立っていた。