Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
「種ちゃんはもう御馴染に成ったねえ。御預りのワンワンも伯母さんが持って来ましたよ」
「姉さん、これが新ちゃんです」と三吉は、漸く匍って歩く位な、次男の新吉を抱寄せて見せる。
「オオ、新ちゃんですか」とお種は顔を寄せて、「ほんに、この児は壮健そうな顔をしてる。眼のクリクリしたところなぞは、三吉の幼少い時に彷彿だぞや……どれ、皆な好い児だで、伯母さんが御土産を出さずか」
子供は、伯母から貰った玩具の犬を抱いて、家のものに見せて歩いた。
「お雪、銀ちゃんを抱いて来て御覧」と三吉が言った。
「これ、温順しく寝てるものを、そうッとして置くが可い」とお種は壁に寄せて寝かしてある一番幼少い銀造の顔を覗きに行った。
「どうです、姉さん、これが六人めですよ――随分出来も出来たものでしょう」
「お前さんのところでは、お雪さんも御達者だし、どうして未だ未だこれから出来ますよ」
こんなことを傍で言われて、お雪はキマリが悪そうに茶戸棚の方へ行った。
「真実に、子供があると無いじゃ、家の内が大違いだ」と言って、お種は正太の家のことを思い比べるような眼付をした。
その日、お種は心易く振舞おう振舞おうとしていたが、どうかすると酷く興奮した調子が出て来た。