Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate

Aozora Bunko

一切が葬られた。やがてお房は二人の妹の墓の方へ送られた。お雪は門の外へ出て、小さな棺の分らなくなるまでも見送った。「最早お房は居ない」こう思って、若葉の延びた金目垣の側に立った時は、母らしい涙が流れて来た。お雪は家の内へ入って、泣いた。

山から持って来た三吉の仕事は意外な反響を世間に伝えた。彼の家では、急に客が殖えた。訪ねて来る友達も多かった。しかし、主人は居るか居ないか分らないほどヒッソリとして、どうかすると表の門まで閉めたままにして置くことも有った。

三吉は最早、子供なぞはどうでも可いと言うことの出来ない人であった。多くの困難を排しても進もうとした努力が、どうしてこんな悲哀の種に成るだろう、と彼の眼が言うように見えた。「彼処に子供が三人居るんだ」――この思想に導かれて、幾度か彼の足は小さな墓の方へ向いた。家から墓地へ通う平坦な道路の両側には、すでに新緑も深かった。到る処の郊外の日あたりに、彼は自分の心によく似た憂鬱な色を見つけた。しかし彼は、寺の周囲を彷徨って来るだけで、三つ並んだ小さな墓を見るに堪えなかった。それを無理にも行こうとすれば、頭脳がカッと逆上せて、急に倒れかかりそうな激しい眩暈を感じた。